もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

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宗教

伊藤博明『ルネサンスの神秘思想』 古代異教の神々はいかにキリスト教世界に復活したか

ルネサンスにおける〈神々の再生〉──古代の思想・宗教の復活 ルネサンスの神秘思想 (講談社学術文庫) 作者:伊藤博明 講談社 Amazon プラトンやアリストテレスなどの哲学者や、ピュタゴラスやユークリッド(エウクレイデス)などの数学者、さらにはゼウスやア…

筒井賢治『グノーシス 古代キリスト教の〈異端思想〉』 偽りの神が作った世界

原資料にもとづくグノーシス入門 歴史や宗教の話が好きな人なら、グノーシス主義について読んだり聞いたりしたことがあるのではないだろうか。初期のキリスト教における、代表的な「異端」である。 私などはグノーシス主義について、単に異端であるだけでな…

三浦哲哉『映画とは何か フランス映画思想史』 映画そのものの感動とは何か

かつて、映画は「動くこと」そのものだった 映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書) 作者:三浦 哲哉 筑摩書房 Amazon 三浦哲哉の『映画とは何か フランス映画思想史』(筑摩選書)は、タイトルが示すとおり、映画と言ってもフランス映画の本である。 …

岡田温司『西洋美術とレイシズム』ほか 芸術は政治でしかありえない

西洋美術の歴史に潜在するレイシズム 岡田温司は私が最もたくさん読んでいる著者の一人だ。著書が多すぎてぜんぜん追いつけないのだが。 この著者の仕事には大きく分けて、イタリア現代思想の紹介と、美術史・芸術批評のふたつのカテゴリーがある。(もちろ…