三大・渋い文学賞(個人的印象です)
芥川・直木以外にも文学賞はいろいろ(本当にいろいろ……)ありますが、谷崎潤一郎賞・泉鏡花文学賞・川端康成文学賞の三つは、個人的に「あまり目立たない賞だけど、いつも面白そうな小説が受賞しているなあ」という渋い賞という印象があります。(最初から失礼な物言いで申し訳ないのですが……)
また全体的に、新人賞ではなくある程度のキャリアのある作家に与えられる賞という感じもしますね。(厳密にそういうわけではないです)
今回は自分用メモも兼ねて、とりあえず2010年以降のこの3賞の受賞作をリストアップしてみました。
谷崎潤一郎賞
中央公論新社主催
選考委員:2010年から 池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸
2011年 稲葉真弓『半島へ』
2012年 高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』
2014年 奥泉光『東京自叙伝』
2017年 松浦寿輝『名誉と恍惚』
2018年 星野智幸『焔』
2019年 村田喜代子『飛族』
2020年 磯崎憲一郎『日本蒙昧前史』
2021年 金原ひとみ『アンソーシャルディスタンス』
2022年 吉本ばなな『ミトンとふびん』
2023年 津村記久子『水車小屋のネネ』
金沢市主催
選考委員:
2009年~2015年 嵐山光三郎、五木寛之、金井美恵子、村田喜代子、村松友視
2016~2017年 嵐山光三郎、五木寛之、金井美恵子、村松友視、山田詠美
2018年から 嵐山光三郎、五木寛之、金井美恵子、村松友視、山田詠美、綿矢りさ
2010年 篠田正浩『河原者ノススメ――死穢と修羅の記憶』
2012年 角田光代『かなたの子』
2013年 磯崎憲一郎『往古来今』
2014年 中島京子『妻が椎茸だったころ』・小池昌代『たまもの』
2016年 川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』
2017年 松浦理英子『最愛の子ども』
2018年 山尾悠子『飛ぶ孔雀』
2019年 田中慎弥『ひよこ太陽』
2021年 村田喜代子『姉の島』
2022年 大濱普美子『陽だまりの果て』
2023年 北村薫『水 本の小説』・朝比奈秋『あなたの燃える左手で』
川端康成文学賞
公益財団法人川端康成記念会主催
※短編小説を対象とする。
選考委員:2010年 秋山駿、辻原登、津島佑子、村田喜代子
2011年~2013年 秋山駿、辻原登、津島佑子、堀江敏幸、村田喜代子
2014年~2015年 角田光代、辻原登、津島佑子、堀江敏幸、村田喜代子
2016年 角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子
2017年~ 荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子
2010年 高樹のぶ子「トモスイ」
2011年 津村節子「異郷」(『遍路みち』収録)
2013年 津村記久子「給水塔と亀」(『浮遊霊ブラジル』収録)
2015年 大城立裕「レールの向こう」
2016年 山田詠美「生鮮てるてる坊主」(『珠玉の短編』収録)
2017年 円城塔「文字渦」
2018 保坂和志「こことよそ」(『ハレルヤ』収録)
(2019~2020休止)
2021年 千葉雅也「マジックミラー」(『オーバーヒート』収録)
2022年 上田岳弘「旅のない」
2023年 滝口悠生「反対方向行き」(『鉄道小説』収録)
読書の参考になれば幸いです。