いわゆる「純文学」というジャンル
いわゆる「純文学」という、なんというか独特の、ある一定の形式と雰囲気を持った伝統的な小説のジャンルが現代日本にはあるわけですが、そしてここでの「純文学」というのは広い意味のそれではなくけっこう狭い意味のもので、まあ言ってみれば「制度的に芥川賞の候補になるタイプの小説」のことなわけですが、そのような「純文学」を読むことには、ある種のスポーツ観戦的な、あるいはポップソングを聴くような楽しみがあります。
皆が同じくらいの長さの、なんとなく同じようなフォーマットの枠内で、それぞれ実験性や意外性やテーマ性を競い合うのを見る、という面白さですね。
そしてある面でこのジャンルは、かなり先鋭的に「現代的なもの」を映し出すものでもあるので、それを読む楽しみもあります。基本的に短くて読みやすいのもいいところですね。
そのような、狭い意味でのいわゆる「純文学」を知るためのガイドとして最もわかりやすいのが文学賞なわけです。
今回は純文学系の三大文学賞と言われる、芥川賞・三島賞・野間文芸新人賞の、2020年以降の候補作を全て網羅してみました。ぜひ面白そうなものを探してみてください。
(重複するものも多いですが、そのまま載せてあります)
芥川龍之介賞
審査員:小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸(2023年下半期まで)、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一
2020年上半期 受賞作(2作)
候補作
※三木三奈「アキちゃん」は未書籍化。『文學界』2020年5月号収録。
2020年下半期 受賞作
候補作
2021年上半期 受賞作(2作)
候補作
2021年下半期 受賞作
候補作
2022年上半期 受賞作
候補作
2022年下半期 受賞作(2作)
候補作
2023年上半期 受賞作
候補作
2023年下半期 受賞作
候補作
三島由紀夫賞
審査員:川上未映子、高橋源一郎、多和田葉子、中村文則、松家仁之
2020年 受賞作
候補作
2021年 受賞作
候補作
2022年 受賞作
候補作
2023年 受賞作
候補作
野間文芸新人賞
2020年 受賞作
候補作
2021年 受賞作
候補作
※杉本裕孝『ピンク』は未書籍化。『文學界』2021年 6月号収録。
2022年 受賞作
候補作
2023年受賞作
(『しをかくうま』は2024年に単行本化)
候補作
以上です。表紙が並んでるだけで楽しいですね。
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