もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

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2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーブ・ロジャースはなぜ困った顔をしているのか 生贄としてのキャプテン・アメリカ

MCUとキャプテン・アメリカについてまとめてみる マーベル公式サイトより なんとなく、どこかの時点で自分にとってのMCUについてまとめておこうと思っていて、しかしずっと継続して作品が出てくるのでまとめるタイミングが難しかったのだが、最近自分の中で…

波戸岡景太『スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想』 知性とバッシングが衝突する地点で考える

一味違うソンタグの入門書 スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想 (集英社新書) 作者:波戸岡 景太 集英社 Amazon 波戸岡景太『スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想』は、ソンタグの著書『ラディカルな意志のスタイルズ』の翻訳も手がけた著者に…

ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』 謎に満ちた語りと美しい文章に魅せられる技巧派SF短編集

「未来の文学」シリーズの定番短編集 以前このブログでジーン・ウルフの傑作SF『ケルベロス第五の首』(およびそれを含む国書刊行会「未来の文学」シリーズ)を紹介したことがあるが、同シリーズから出ている、同じくジーン・ウルフの短編集『デス博士の島そ…

奈落の新刊チェック 2024年3月 海外文学・SF・現代思想・哲学・嘘つき姫・ブルックナー譚・見ることの塩・少女小説とSF・アンチ・ジオポリティクス・ゾンビの美学・ピラネージほか

暑くなったり寒くなったりしつつ早いもので世の中は新年度ですが、まだまだ旧年度の新刊が睨みを利かせています。年度の切れ目など、人類そして宇宙の歴史の前では何の意味も持たぬ区切りにすぎない……人類の営みとは……などと紋切り型の詠嘆をたわむれに捻り…