2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧
かつて、映画は「動くこと」そのものだった 映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書) 作者:三浦 哲哉 筑摩書房 Amazon 三浦哲哉の『映画とは何か フランス映画思想史』(筑摩選書)は、タイトルが示すとおり、映画と言ってもフランス映画の本である。 …
百年戦争と近代国家のはじまり 私は歴史書をメインに読むタイプの人間ではなく、芸術の本や現代思想の本を読んでついでに歴史を学んでいる程度の歴史好きなのだが、たまにいわゆる「歴史の本」を読むのは新鮮な体験である。 そして最近の私の興味は、近代に…
雑踏の中で現れた鬼 ※終盤のネタバレがあります。 私は吾峠呼世晴『鬼滅の刃』のそんなに熱心な読者ではなかったのだが、好きなキャラクターは鬼舞辻無惨だ。 鬼滅の刃 2 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:吾峠呼世晴 集英社 Amazon まず登場シーンが良かっ…
精密に磨き上げられた短編小説世界 私はクラシックな日本文学に詳しい人間ではまったくないが、誰か好きな作家を一人挙げろと言われたら久生十蘭を挙げると思う。 久生十蘭短篇選 (岩波文庫) 作者:久生 十蘭 岩波書店 Amazon 1902年(明治35年)生まれのこの…
「セカイ系」を再定義する必読本 シン・エヴァンゲリオンが公開されて皆がエヴァの話をしていた頃、ふと思い出して前島賢の『セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史』(ソフトバンク新書)を読み返した。 セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (S…
現代思想界の新星・メイヤスー カンタン・メイヤスーの名前が「思弁的実在論」というジャンル名とともに聞こえてきたのがいつだったかあまり覚えていないが、2016年に人文書院から『有限性の後で 偶然性の必然性についての試論』が千葉雅也・大橋完太郎・星…
台湾に到着してから初めての休日、私はさっそく観光に出かけた。といっても近場である。私が向かったのは台北市の中心地、臺北車站(タイペイチャージャン) (台北駅)の周辺地区だ。私は特に詳しくはないのだが近代初期の建築が好きで、台湾にはそのような…
面白い本がありすぎて困っているみなさんこんにちは。ただでさえ時間がなくて苦しんでいるあなたをさらに苦しめてしまうかもしれない、面白そうな新刊チェックの時間です。私と一緒に、面白そうな本はいくらでもあるけど読む時間が圧倒的に足りないという受…