もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

,

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Horsegirlというバンドがすごいので、さりげなく紹介したい。

新たに発見されるもの Horsegirlというシカゴのバンドの、このPVに衝撃を受けた。 www.youtube.com まるで80年代から90年代のインディー・ロックではないか。なんでもこのバンドは2019年に結成していくつかシングルやEPなどを発表しており、その後名門レーベ…

中谷礼仁『実況・近代建築史講義』は、美しい構成を持った理想的な講義の本だ

近代建築について知りたい! 私は建築に関してど素人なのだが、でも芸術の本を読んでいると建築のことがよく出てくるし、ちょっと建築、特に私は近代に関する本をよく読むので近代建築のことが知りたいなあと思っていた際にたまたま新刊で出ていたのがこの中…

岩﨑周一『ハプスブルク帝国』 とらえどころのない、1000年の大帝国

「名前の無い国」、ハプスブルク君主国 ハプスブルク帝国 (講談社現代新書) 作者:岩崎周一 講談社 Amazon ご存じ、ドイツとオーストリアを中心に1000年続いたハプスブルク帝国についての新書が岩﨑周一『ハプスブルク帝国』である。なにせ1000年の歴史がある…

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『ブレードランナー2049』の限りのない寂しさ

名作の続編がまた名作だったという嬉しい驚き ブレードランナー 2049 ハリソン・フォード Amazon リドリー・スコット監督『ブレードランナー』のファンであればあるほど、続編製作を知った時には「ええ~?」と感じた人も多かったのではないかと思う。私もそ…

松浦理英子『ヒカリ文集』 「恋愛」の定義を増やすための小説形式

6人の視点から語られる、ひとりの女性 ヒカリ文集 作者:松浦理英子 講談社 Amazon 『ヒカリ文集』は、2017年の『最愛の子ども』に続く、松浦理英子の最新作である 『最愛の子ども』については以前に紹介したので詳しくはそちらの記事を見てほしいが、これは…

鏡リュウジ『タロットの秘密』 ゲームから神秘主義へ、タロットカードのディープな歴史

占いの本ではない、タロット入門書の決定版 タロットカードというものに興味はあるものの、別に占いをやりたいわけではない、という人もけっこういるのではないかと思う。そんな人にお勧めしたいのが、鏡リュウジ『タロットの秘密』(講談社現代新書)だ。 …

奈落の新刊チェック 2022年7月 海外文学・SF・現代思想・ガルシアマルケス・向日性植物・市民的不服従・最後の審判・総員玉砕せよ!ほか

乱世の度合いが強まる7月でしたが皆様いかがお過ごしでしょうか。SNSは感情が強ければ強いほど言葉が流通する装置ですので、たまにはそこを離れて本を読むと時間の流れが変わってよいかと思います。今月はなんとなく小説が多くなりましたね。 ガルシア=マル…