SF
泉鏡花文学賞・日本SF大賞・芸術選奨文部科学大臣賞の三冠に輝く小説 飛ぶ孔雀 (文春文庫) 作者:山尾 悠子 文藝春秋 Amazon 「幻想文学」や「幻想小説」という言葉があるけれど、そう呼ばれるのにこれ以上相応しいものは他に思いつかない……と思ってしまうの…
かなり「ブレードランナー」っぽい「エイリアン」の傑作(賛否両論あります) 『エイリアン:コヴェナント』より エイリアン:コヴェナント (字幕版) マイケル・ファスベンダー Amazon さて今回の記事はリドリー・スコット監督による『エイリアン:コヴェナ…
分断された東京を舞台とした、連作サイバーパンク警察小説 九段下駅 或いはナインス・ステップ・ステーション (竹書房文庫) 作者:マルカ・オールダー,フラン・ワイルド,ジャクリーン・コヤナギ,カーティス・C・チェン 竹書房 Amazon 今回紹介する竹書房文庫…
私事で恐縮ですが…… スタンフォード通りとノースブリッジ通りの交差点 私事で恐縮ですが…… 都市小説としてのSF/SFにとっての都市 創作紹介 関連ブックガイド こちらの記事もどうぞ。 ときどきこのブログでも告知しているのですが、実は細々とSF小説を書いて…
祝・90年代~2000年代ギブスン作品電子復刊! 2024年末、衝撃的なニュースが飛び込んできた。旧角川書店より刊行されていたものの長らく品切れ状態だった、『ヴァーチャル・ライト』以降のウィリアム・ギブスン邦訳5作品が早川書房より一挙に電子版で復刊さ…
斜線堂有紀の初めてのSF短編集 回樹 作者:斜線堂 有紀 早川書房 Amazon 回樹 (ハヤカワ文庫JA) 作者:斜線堂 有紀 早川書房 Amazon 今回紹介する『回樹』は、2023年に刊行された斜線堂有紀の初のSF短編集。 もともとミステリや恋愛小説の分野で知られていた作…
私事で恐縮ですが…… なぜ「権力」を描いたSFが多いのか 「権力」とは似て非なる、「権威」というテーマ 創作紹介 関連ブックガイド こちらの記事もどうぞ。 私事で恐縮ですが…… Christ Church Melaka このたび、日本SF作家クラブと株式会社ピクシブが主催す…
幻覚に襲われる東京と、眠り続ける少女 バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA) 作者:津原 泰水 早川書房 Amazon 今回は、私にとってのベストSF小説のひとつを紹介したい。津原泰水の『バレエ・メカニック』だ。とはいうものの、実はこの小説を紹介する自信…
ユートピア的な想像力を取り戻す 闇の精神史 (ハヤカワ新書) 作者:木澤 佐登志 早川書房 Amazon 木澤佐登志は、2019年に立て続けに刊行した著書『ダークウェブ・アンダーグラウンド』『ニック・ランドと新反動主義』によって注目を集めた気鋭の書き手だ。今…
架空のキャラクターを演じるデヴィッド・ボウイ ジギー・スターダスト アーティスト:デヴィッド・ボウイ ワーナーミュージックジャパン Amazon 以前、いわゆる名盤と呼ばれるような、ロックやポップスの歴史的に有名なアルバムをひととおり聴いてみた時期があ…
「未来の文学」シリーズの定番短編集 以前このブログでジーン・ウルフの傑作SF『ケルベロス第五の首』(およびそれを含む国書刊行会「未来の文学」シリーズ)を紹介したことがあるが、同シリーズから出ている、同じくジーン・ウルフの短編集『デス博士の島そ…
私事で恐縮ですが…… SFのテーマとしての植民地 シンガポールで見る007の衝撃 創作紹介 関連ブックガイド こちらの記事もどうぞ。 私事で恐縮ですが…… Winsland House II 今回は私事と雑談なんですが、実は一昨年あたりからブログのほかに趣味でSF小説を書い…
シーズン2がキャンセルされたけど見てほしい! youtu.be 『ペリフェラル ~接続された未来~』は、2014年に発表されたウィリアム・ギブスンの小説『The Peripheral』を原作とする、Amazon Prime Videoによる2022年のドラマシリーズだ。 シーズン1の全8話が配…
私事で恐縮ですが…… 今回はいきなり私事で恐縮なのですが、尾崎滋流名義で「第3回かぐやSFコンテスト(テーマ:未来のスポーツ)」に応募した掌編が、選外佳作に選ばれました! 『夏の夕暮れ、タナトスの子供たち』というタイトルで、5分くらいで読めますの…
竹書房文庫のSFがやばい! SF専門の文庫レーベルと言えばハヤカワ文庫SFと創元SF文庫が二大巨頭ではありますが(あと河出とかちくまとか他の文庫レーベルからも面白いSFはたくさん出てますが)、近年は竹書房文庫のSFがどんどん存在感を増しており、気になっ…
突然ですが…… 突然ですが創作SF小説を書いて投稿サイト「カクヨム」に投稿しました。少し前からSF小説を書いていたのですが、今回カクヨム公式企画である「カクヨム公式自主企画「百合小説」」に参加するべくユーザー登録したという次第です。 近未来のシン…
『デビルマン』原作への忠実さと現代的アレンジを両立したNETFLIXアニメ (中盤くらいまでのネタバレがあります) 湯浅政明監督・サイエンスSARU制作によるアニメ『デビルマン クライベイビー』は、2018年に配信されたネットフリックスオリジナル作品だ。 de…
迷宮の作家・ボルヘスの代表的短編集からのお勧め短編5選 さてボルヘスです。前回、「ボルヘスの小説を読んでみたい場合、どの本を買えばいいのか?」というガイド記事を作成したところ、多くの方に読んでいただいております。どうもありがとうございます。 …
創元SF短編賞出身作家の芥川賞受賞作 首里の馬(新潮文庫) 作者:高山羽根子 新潮社 Amazon 『首里の馬』は、創元SF短編賞の佳作を受賞してデビューした高山羽根子が、2020年に第163回芥川賞を受賞した小説だ。 私はごく最近『暗闇にレンズ』『オブジェクタ…
最近の『ファイブスター物語』を読んで考えたこと ファイブスター物語 17 (ニュータイプ100%コミックス) 作者:永野 護 KADOKAWA Amazon このほど永野護『ファイブスター物語』の第17巻が発売された。私も長年の読者なのでさっそく買い、数時間かけて読み、過…
きっかけはフライザだった。"フライザ"なのか"ラ・フライザ"なのかはいつも論議を呼ぶところで、年配の村医者たちや、称号付けをうけもつ長老たちを悩ませてきた。彼女は正常に見えた。──ほっそりした褐色の体、きれいな歯並み、広い鼻、真鍮色の目。生まれ…
ダダイストたちの挑発にまんまと乗せられた観客は、舞台からあふれでるナンセンスな言葉の洪水に腹を立てて、生卵やトマトや腐りかけたオレンジをダダイストめがけて投げつけたり、有名な女優のマルト・シュナル(ピカビアと一緒に見物に来ていた)にフラン…
私の好きなバラードのSF短編 J.G.バラードことジェームズ・グレーアム・バラードは私が一番好きな作家のひとりだが、以前はその長編について紹介したので、今回は短編の話をしようと思う。バラードの長編と短編は、書かれている内容はかなりの部分共通してい…
「廃園の天使」シリーズの短編集(この本から読んでOK) 飛浩隆について書くのは難しい。飛浩隆を読むという体験をどのように書けばいいのか、ちょっとよくわからない。 飛浩隆の小説はSFである。そしてこのSFは、我々を無傷のままにはしておかない。我々は…
こういう小説が読みたかった 高山羽根子『オブジェクタム/如何様』は最高の作品集である。私はこれを読みながら何度も「うわーっ!最高だ!」と叫びたくなってしまい、とはいえ実際に叫ぶことはせず一人で拳を握りしめたり部屋をうろうろ歩き回ったりするに…
ボルヘスの小説はこの文庫を買えばOK ボルヘスの小説はこの文庫を買えばOK ①代表的作品集『伝奇集』/『アレフ』 ②比較的読みやすい『砂の本』 ③異色作(でも小説としてはむしろオーソドックスな)『ブロディーの報告書』 ④「ボルヘス最後の短編集」『シェイ…
SFアンソロジーの勢いがすごすぎて把握できないのでまとめた。 SFアンソロジー新月、Rikka Zine、『新しい世界を生きるための14のSF』、Genesisシリーズ、NOVAシリーズなどなど……SF読者であれば、近年のアンソロジー刊行の勢いに驚いている方は多いのではな…
名作の続編がまた名作だったという嬉しい驚き ブレードランナー 2049 ハリソン・フォード Amazon リドリー・スコット監督『ブレードランナー』のファンであればあるほど、続編製作を知った時には「ええ~?」と感じた人も多かったのではないかと思う。私もそ…
卵から孵って最初に見たのが『ニューロマンサー』 ニューロマンサー〔新版〕 スプロール (ハヤカワ文庫SF) 作者:ウィリアム ギブスン 早川書房 Amazon ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 作者:ウィリアム ギブスン 早川書房 Amazon 私はウィリアム・ギブス…
ジョン・ヴァーリイの短編「逆行の夏」を紹介します。 ジョン・ヴァーリイは70年代末から活動しているアメリカのSF作家で、私のとても好きな作家の一人だ。SFファン向けの説明をすると、だいたいニューウェーブとサイバーパンクの中間くらいの作風だと思う。…