もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

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2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

藤野可織『ピエタとトランジ』 無敵の二人は変化に抵抗する

無敵の存在に関する小説 ピエタとトランジ <完全版> 作者:藤野可織 講談社 Amazon ピエタとトランジ (講談社文庫) 作者:藤野 可織 講談社 Amazon あなたはもう藤野可織『ピエタとトランジ<完全版>』(文庫版では『ピエタとトランジ』)を読んだだろうか…

50記事達成記念・記事別アクセスランキングベスト10

日頃のご愛顧ありがとうございます。 2021年12月に始めた当ブログも早いもので記事が50本に達しました。日頃読んでいただきありがとうございます。 せっかくキリのいい数に達したので、ここ記事別アクセスランキングベスト10など発表してみようかと思います…

岡田温司『アガンベン読解』 「できるけどやらない」という能力、そして政治の存在論

イタリア現代思想の紹介者としての岡田温司 増補 アガンベン読解 (925;925) (平凡社ライブラリー お 19-3) 作者:岡田 温司 平凡社 Amazon 岡田温司の著書には大きく分けて二つの分野があり、ひとつは以前このブログでも紹介した美術史・表象文化論に関するも…

ネトフリドラマ化原作、ニール・ゲイマン『サンドマン』を読んでみたら最高の現代ファンタジーだった

ニール・ゲイマンとは? ニール・ゲイマンという作家は英米と日本で知名度にかなり差のある作家だと思う。日本ではまだそんなに知られていない気がするが、英米では絶大な評価と人気を持っている作家という感じだ。SF・ファンタジーの分野から出発しつつ、現…

田中純『デヴィッド・ボウイ』を読むことは、ボウイを好きになる一番いい方法だ

この分厚い本はどんな本なの? デヴィッド・ボウイ 無を歌った男 作者:田中 純 岩波書店 Amazon 皆様、デヴィッド・ボウイを聴いたことがあるだろうか。少なくとも名前くらいは知っているのではないだろうか。1960年代末から、2016年に死去するまで音楽活動…

台湾日記:早飯店で台湾朝ごはんを食べる

台湾には早飯店(ザオファンディエン)と呼ばれる朝ごはん屋さんがたくさんある。とにかく台湾は外食文化なので、多くの人が朝から外で食べたり、外帯(ワイダイ)(持ち帰り)して職場で食べたりする。出勤すると、わりとみんな自分の席で何かしら食べてい…

奈落の新刊チェック 2022年4月 海外文学・SF・ファンタジー・現代思想・歴史・翻訳・ヴェイユ・モノと媒介・絶滅・社会集団・聖遺物・パルクールほか

さて、今月も奈落の新刊チェックです。4月も出るわ出るわ、気になる新刊が。ブログ開設以来早いものでこの新刊チェックも5か月目ですが、まあ飽きるまでは続けようかと思います。では今月もいってみましょう。 ピラネージ 作者:スザンナ・クラーク 東京創元…