もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

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法学

長谷部恭男『法とは何か 法思想史入門』 法と道徳との関係を、人々はどう考えて来たか

著名憲法学者による、憲法と法思想の入門書 増補新版 法とは何か 法思想史入門 河出ブックス 作者:長谷部恭男 河出書房新社 Amazon 今回紹介する『法とは何か 法思想史入門』は、法学者である長谷部恭男による法学・法思想の入門書である。長谷部恭男は1956…

樋口陽一『リベラル・デモクラシーの現在』 重鎮が語る、立憲主義の普遍性

戦後を代表する憲法学者の最新講演集 リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) 作者:樋口 陽一 岩波書店 Amazon 改めて憲法に関する本が読みたいなと思い、そしてどうせならやはり定番著者の、しかも最近のもの…

木庭顕『誰のために法は生まれた』 徒党の解体と自由な個人〜法の根源を探る特別授業

法学者と中高生がともに古典を読む授業の記録 誰のために法は生まれた 作者:木庭顕 朝日出版社 Amazon 木庭顕『誰のために法は生まれた』は、ローマ法を専門とする法学者による法学入門の本だが、普通に書かれた入門書ではない。 これは中学三年から高校三年…

嘉戸一将『法の近代 権力と暴力をわかつもの』 何が法律の「正統さ」を保証するのか

法学の立場から国家の役割を問う新書 法の近代 権力と暴力をわかつもの (岩波新書) 作者:嘉戸 一将 岩波書店 Amazon 私たちはふだん法律に従って生活しているが、ではその法律、あるいは法律を執行する国家が「正統なもの」であると、どのように納得している…