もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

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新刊チェック

奈落の新刊チェック 2025年6月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・ジェウムズ・歓楽の家・レモネードに彗星・死体埋め部・カリブ海・内在的多様性批判・レヴィナス・戦争と西洋・琉球処分ほか

参院選が近い今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。人権や公共性の軽視が世間で目立つようになると読書好きとしての無力感を感じますが、ひとまずは身の回りの人と政治の話をすることくらいしかできることが思いつきません。そのような折にも、…

奈落の新刊チェック 2025年5月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・惑星語書店・両膝を怪我した・ヒカリ文集・政治の美学・写真講義・移動と階級・男性学入門ほか

私事なんですけれでも、当ブログは毎月こうやって新刊チェックを投稿しているわけですが、できれば一か月の間に「新刊チェック+最低1記事」は投稿したいなあと考えております。今のところこのペースは維持できているのですが、そのうち忙しくなった場合は「…

奈落の新刊チェック 2025年4月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・アフリカ文学・キャリントン・クィア・見晴らし台・夜と霧の誘拐・知覚の宙吊り・中国美学・イザドラ・ダンカンほか

月初更新といいながらゴールデンウィークも過ぎてしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は国書刊行会から新しい叢書が二種類も創刊していて驚きます。他にも面白そうな本がいろいろ出ていますのでぜひご覧ください。2025年4月分の新刊です。 …

奈落の新刊チェック 2025年3月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・半生の絆・上海灯蛾・クィア・レヴィナス・非二元的な性・財政民主主義・帝国と観光・犬狼伝説ほか

ようやく冬が終わったようですがいかがお過ごしでしょうか。今回の新刊チェックは、人文系の新しい著者のデビュー作、それも博士論文をもとにした本が多く、リストアップするだけでも盛り上がりました。(もちろん網羅しているわけではないので他にもあるで…

奈落の新刊チェック 2025年2月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・族長の秋・水曜生まれ・影犬・怪獣・近現代詩・労働者・道徳的責任・国民皆保険ほか

個人的な事情ですが最近いろいろと忙しくなっておりまして、当ブログも下手をするとこの新刊チェックがメインコンテンツになってしまいそうな状況です。せめて、一ヶ月の間に、新刊チェックの他に一本くらいは記事を書きたいものですが、どうなることやら。…

奈落の新刊チェック 2025年1月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・羊式型人間・堕天使拷問刑・城南・ヨーロッパの地理哲学・非暴力主義・アッシリア・スカルパ・つながらない権利ほか

世界が混迷の度を深めているのか、あるいは長いスパンで同じことを繰り返しているのか、いずれにせよ深刻な事態ばかりの昨今ですが、危機に備える言葉を持つべく本を読み、よい本を出している著者と出版社を支援していきたいところです。アマゾンのリンクを…

奈落の新刊チェック 2024年12月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・グラン=ギニョル・物語ることの反撃・廃墟建築家・カフカ・チャンドラー・カリガリ博士・モナドロジー・K-POPほか

あけましておめでとうございます。のんびり更新している当ブログですが、今年もよろしくお願いいたします。今年も主に備忘録としてやっていきます。では月初恒例の新刊チェック、昨年12月分をどうぞ。 感応グラン=ギニョル (創元SF文庫) 作者:空木 春宵 東…

奈落の新刊チェック 2024年11月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・悪い時・鹽津城・愛らしい未来・宵闇色・ひとごと・遊びと利他・反逆罪ほか

あっという間に師走となりまして、ということは当ブログも開設3周年ということになりました。みなさま日頃のご愛顧ありがとうございます。だんだん更新頻度は減っておりますが、今後も無理のない範囲で細々と続けていければと思っております。引き続きよろし…

奈落の新刊チェック 2024年10月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・無限病院・光の速さ・大量死・庭に埋めたもの・台湾と沖縄・人類の都ほか

国際情勢が息つく暇もない昨今ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。世の中が落ち着かなくなればなるほどSNS上に拙速な言葉が飛び交うのはもはや避けがたい世界の有様ですが、そんな時ほど書物に蓄えられた思考に触れ、言葉の減速を図るべきかと思います。も…

奈落の新刊チェック 2024年9月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・おかゆ・灯台へ・缶詰サーディン・トウキョウ下町・エスノグラフィ入門・幸徳秋水伝・オタク文化とフェミニズムほか

ようやく暑さも和らいできたという噂が海外にも聞こえてきておりますがいかがお過ごしでしょうか。世の中が落ち着かないまま政党の党首も変わり次は総選挙と慌ただしい日々ですが、たまには本を読んだりすると目先が変わっていいと思います。というわけで今…

奈落の新刊チェック 2024年8月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・取るに足りない細部・危険なトランスガール・現代ゴシック小説・水晶宮・無支配の哲学・アメリカ革命ほか

そろそろ酷暑も和らいできたかと思いますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。SNSでは今日もいろんな話題が高速で展開されておりますが、本を読むことでより「遅い」言葉をじっくり摂取することも大事かと思われます。レッツ・ゲット・遅れ。というわけで気…

奈落の新刊チェック 2024年7月 海外文学・SF・現代思想・哲学・歴史・ベル・ジャー・歌う船・他なる映画と・バトラー入門・アナキズムと哲学・すき間の哲学・サンスクリット入門ほか

いよいよ夏本番となりましたが、みなさま日傘は利用されておりますでしょうか。あるとないとでは大違いですのでぜひご利用くださいませ。そして世界と人生の苛酷な日差しから身を守るためにはやっぱり読書ですよね。(無理矢理) というわけで7月刊行の面白…

奈落の新刊チェック2024年6月 海外文学・SF・現代思想・歴史・百年の孤独・台湾文学・異族・非美学・インターセクショナリティ・シュペーア・ビックリハウスほか

そろそろ日本は暑くなってきたようですがいかがお過ごしでしょうか。熱中症対策にはやっぱり涼しい場所での読書が一番ですよね。『百年の孤独』も文庫化したし…… しかし読書に熱中しすぎて水分補給を忘れるなどの危険もありますのでくれぐれもご注意ください…

奈落の新刊チェック2024年5月 海外文学・SF・現代思想・歴史・野球SF・関心領域・フェミニスト、ゲームやってる・理性の呼び声・ドゥルーズと芸術・写真文学論・SMの思想史ほか

こんにちは。日本はそろそろ夏の気配がしてきた頃合でしょうか。相も変わらず無数の新刊から面白そうなものをピックアップしているのですが、このリストを作る効用として、あまりの量ゆえに「読みたい本を全て読めないのが悲しい」みたいな感情が雲散霧消す…

奈落の新刊チェック 2024年4月 海外文学・SF・現代思想・歴史・ファンタスマゴリィ・羅刹国通信・暗黒の形而上学・ロシア宇宙主義・サルトル・古代技術・読書と暴動・セカイ系ほか

楽しいゴールデンウィークももう終わりですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。本は読めるコンディションの時とそうでない時がありますが、新刊は無情に刊行され続け、ちょっと待ってくれという気もしますがまあ後から読んでも特に差し支えはないかと思われ…

奈落の新刊チェック 2024年3月 海外文学・SF・現代思想・哲学・嘘つき姫・ブルックナー譚・見ることの塩・少女小説とSF・アンチ・ジオポリティクス・ゾンビの美学・ピラネージほか

暑くなったり寒くなったりしつつ早いもので世の中は新年度ですが、まだまだ旧年度の新刊が睨みを利かせています。年度の切れ目など、人類そして宇宙の歴史の前では何の意味も持たぬ区切りにすぎない……人類の営みとは……などと紋切り型の詠嘆をたわむれに捻り…

奈落の新刊チェック 2024年2月 海外文学・SF・現代思想・歴史・恐るべき緑・ルバイヤート・カストロの尻・射手座の香る夏・近代日本の身体統制・日本アナーキズム・サンリオ出版大全ほか

そろそろ暖かくなってきたりそうでもなかったりする今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。中華圏でも旧正月が終わってようやく新年が始まっております。最近は出版社や書店がニュースの主役になることもなんだか多く、それぞれの役割がいろんな方向か…

奈落の新刊チェック 2024年1月 海外文学・SF・現代思想・歴史・Blue・サイード・プルードン・ケアの倫理・バトラー・決闘裁判・温泉・タロットの美術史ほか

さて月も明けまして恒例の新刊チェックです。この記事のために見かけた書名を控えておくのですが、いざこれを書こうとすると発売が延期になっていることもしばしば。みなさま苦労して本を刊行されているのかと思います。面白い本をどんどん出してくれる著者…

奈落の新刊チェック 2023年12月 海外文学・SF・現代思想・歴史・カーミラ・魔の聖堂・ミステリウム・バトラー・作家主義以後・メロドラマの想像力・

あけましておめでとうございます。年が明けて当ブログもいよいよ3年目に突入したわけですが、一体いつまで続けるつもりなのでしょうか。誰に頼まれたわけでもない更新ですが、自分が楽しんでいるうちは続けていこうかと思います。一番読んでいるのが自分とい…

奈落の新刊チェック 2023年11月 海外文学・SF・現代思想・歴史・赦しへの四つの道・孔雀屋敷・ジュリアン・バトラー・言葉の風景・とるにたらない美術・四つの未来ほか

早いものでもう年の瀬ですが、早いといえばこの12月で当ブログももう開設2周年でした。どうにか細々と続けております。日頃のご愛顧のほど誠にありがとうございます。まだしばらくは趣味として続けていければと思います。 それでは11月の気になる新刊から。 …

奈落の新刊チェック 2023年10月 海外文学・SF・現代思想・歴史・夢見る宝石・金星の蟲・肉を脱ぐ・文学的絶対・吉田健一に就て・ニューロ・闇の精神史ほか

最近は弊ブログの更新頻度も徐々にスローペースになっており、あまり投稿していないうちに、気が付いたらこの新刊チェックの時期になっていることもしばしば。そのうち新刊チェックがこのブログのメインコンテンツになるかもしれませんが、まあそれはそれで…

奈落の新刊チェック 2023年9月 海外文学・SF・現代思想・歴史・方形の円・厳冬の棺・悪の凡庸さ・革命と住宅・暗闇に戯れて・絵画の解放・民藝ほか

記録的な猛暑が終わり、ようやく涼しくなって来たと聞いていますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。こちらは南国に住んでいるのでよくわかりませんが、さぞかし本を読むのに相応しい気候になってきたのではないかと想像しております。もう本でも読むしか…

奈落の新刊チェック 2023年8月 海外文学・SF・現代思想・歴史・奇病庭園・チク・タク・庭・人類学・ハイチ革命・遠野物語・関東大震災ほか

日本はまだまだ暑いようですがいかがお過ごしでしょうか。日除けと水分補給にはくれぐれもご注意くださいますよう。そろそろ読書の秋と言いたいところですがどうなんでしょうね。気になる本は秋を待たずに買ってしまうなり図書館にリクエストなりするのがい…

奈落の新刊チェック 2023年7月 海外文学・SF・現代思想・歴史・七月七日・黄金蝶・パチンコ・日本橋・ニジンスキー・弥勒ほか

さて異常な暑さに襲われたりTwitterがXに変わったり雑誌インタビューから結婚の文字が消えたりと末法感ただよう今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。くれぐれも熱中症には気をつけつつ、気を取り直して恒例の新刊チェックといきましょう。もう本でも…

奈落の新刊チェック 2023年6月 海外文学・SF・現代思想・歴史・セイレーン・科学革命・マルタ騎士団・幻想の中世・国産RPGほか

2023年も半分が終わり、世の中が変わったり変わらなかったり、ツイッターが制限されたりメタがツイッターを作ったりと忙しいですが、めげずに新刊をチェックしていきましょう。最後に身を助けるのは紙の本。というわけで6月分の新刊です。 覚醒せよ、セイレ…

奈落の新刊チェック2023年5月 海外文学・SF・現代思想・歴史・エレクトリック・ニジンスキー・構造人類学・州浜論・日台万華鏡・プルードンほか

暦変わって6月。最近は紙の値段が上がって書籍の価格も値上がりしてると聞きますし、ちょっと売れてもなかなか重版できないとかいう噂もちらほら。本は在庫があるうちに早めに買っておけということですね。 いつまでも あると思うな 出版社在庫 というわけで…

奈落の新刊チェック 2023年4月 海外文学・SF・現代思想・歴史・NOVA・回樹・非有機的生・バタイユ・旋回する人類学ほか

4月も早々と終わりまして世はゴールデンウィークに突入。連休の方もそうでない方もいらっしゃるでしょうが、連休の方はもう、本でも読むしかないですよね。本はコスパもタイパも良く、自分を成長させてくれ、新たな発見があり、伝統的かつ権威的で、また時に…

奈落の新刊チェック 2023年3月 海外文学・SF・現代思想・歴史・五色の舟・肌色の月・文明交錯・犠牲の森・公共哲学・キルヒャーほか

いよいよ新年度の始まりということで、新入学などされた皆様におかれましてはおめでとうございます。しかし海外に住んでると特に思うわけですが、新卒一括採用というシステムはいい加減いつまで続くんでしょうかねえ。などと社会について軽く吟じつつ3月に刊…

奈落の新刊チェック 2023年2月 海外文学・SF・現代思想・ソローキン・ガーンズバック変換・バートルビー・ゴダール革命・食客論ほか

2023年2月も終わり、今年ももう16.7%が終了しましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。考えてみれば21世紀も22%は過ぎたのだなと思いますが、そんなことを考えているうちにも新刊はどんどん出てきますね。今月も2月分の新刊チェックを行ってみましょう。 愛…

奈落の新刊チェック 2023年1月 海外文学・SF・現代思想・ツェラン・浮遊・香港陥落・生命と身体・ラカン・消費と労働・地霊ほか

さて2023年も早くもひと月が過ぎまして、新年の新刊もバシバシ刊行されております。紹介すれどもすれども湧き出る面白そうな新刊。しかし世は出版不況……読み切れなくても買い支えねばなりません。そう、日本の出版文化の未来のために…… というような崇高な使…