もう本でも読むしかない

仕方ないので本でも読む。SF・文学・人文・漫画などの書評と感想

,

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』 植民地政策と密林の恐ろしさを、突き放した視線で描く

船乗り作家による、時代を超えた小説 闇の奥(新潮文庫) 作者:ジョゼフ・コンラッド 新潮社 Amazon ジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』は1899年にイギリスで発表された小説で、近代文学の名作と名高く、またポストモダン文学の先駆とも言われる、時代を越え…

クィアなSFが読みたい! 「クィアSF」というカテゴリーについて/創作SF小説のお知らせ

突然ですが…… 突然ですが創作SF小説を書いて投稿サイト「カクヨム」に投稿しました。少し前からSF小説を書いていたのですが、今回カクヨム公式企画である「カクヨム公式自主企画「百合小説」」に参加するべくユーザー登録したという次第です。 近未来のシン…

芸術、イメージ、文化批評から哲学まで 「表象文化論学会賞」受賞書籍リスト

表象(representation)の学問 「表象文化論」という学問のジャンルを聞いたことがあるでしょうか。まだあまり世間的に定着している言葉ではないのですが、文学や芸術、イメージについての研究を始めとして、それに関わるものとしての歴史、社会、そして哲学…

小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』 静かな死の気配と、冷たく湿った情緒

初期に発表された連作短編集 寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫) 作者:小川 洋子 中央公論新社 Amazon ずっと気になってはいるものの読んだことのない作家、というのは無数にいるわけで、私にとってそのような作家のひとりが小川洋子であったのだが、このた…

アニメ『デビルマン クライベイビー』 静かに研ぎ澄まされた激しさの表現

『デビルマン』原作への忠実さと現代的アレンジを両立したNETFLIXアニメ (中盤くらいまでのネタバレがあります) 湯浅政明監督・サイエンスSARU制作によるアニメ『デビルマン クライベイビー』は、2018年に配信されたネットフリックスオリジナル作品だ。 de…

奈落の新刊チェック2023年5月 海外文学・SF・現代思想・歴史・エレクトリック・ニジンスキー・構造人類学・州浜論・日台万華鏡・プルードンほか

暦変わって6月。最近は紙の値段が上がって書籍の価格も値上がりしてると聞きますし、ちょっと売れてもなかなか重版できないとかいう噂もちらほら。本は在庫があるうちに早めに買っておけということですね。 いつまでも あると思うな 出版社在庫 というわけで…