台湾と言えば夜市が有名だが、夜市もいろいろある。台北に住み始めて間もない頃、仮住まいの周辺を徘徊しているうちに、ひとつの小さな夜市を見つけた。
その周辺を私はすでに何度も何度も通り過ぎていたのだが、道を一本曲がったらビル街の間に夜市があるなどと予想もしていなかった。(後からよく見たら通りに看板が出ていたのだが、最初はたいていの看板が何なのかわからない)
奥の木々の間を抜けると雙城街夜市
台湾の夜市というと、有名な
観光夜市には巨大な揚げ鶏やマンゴーかき氷など祝祭感のある食べ物が多くあり、またゲームコーナーなどもあって縁日のような雰囲気がある。そしてすごく人が多い。
対して地元の小さな夜市は、台湾の人々が普段から普通に食べているものばかりが小さな屋台で並んでおり、その辺にテーブルと椅子が置かれ、気楽に食べることができる。
しかし小規模とは言え、住処の近くとしては圧倒的な物量であった。1ブロック分の通りに、背中合わせに2列になった小さな屋台が連なっている。その通りを挟んでいる路面店もだいたい飲食店だ。台湾では人々の外食の頻度が非常に高い。どんな店でも持ち帰り(
私は
中国語はイントネーションが命だ。言葉は間違っていなくても、イントネーションが違えば通じないことが多い。そしてイントネーションを正確に伝えるには気合が必要だ。「雞ジー」は一声。高く一定の音程をキープ。「肉ロウ」「飯ファン」はともに四声。高音から低音へと一気に下降する。注意しなければならないのは、「肉」でいったん下がった音を「飯」の出だしでもう一度最高点まで上げなければならない。中国語は上下運動がものを言うのだ。ゆえにそれは歌っているようにも聞こえる。
私はご飯ものを揃えた屋台に並んで、自分の番が来ると「ジー!ロウ!ファン!」と叫ぶように注文した。
台湾のローカルフードに関しては最近刊行されたこの本が詳しい。詳しいというか、圧倒的。